5月下旬、吾妻渓谷の北側にある、野反湖に行ってきました。
「湖」とはいっても、もとは湿原だったのを、新潟県側に電気を送るため、発電用のダム湖がつくられています。
ここは標高約1,500m。5月下旬だというのにまだあたりは冬の感じ、新緑はこれからです。
ダム湖東側につけられた車道を歩いていくと足元にはこんな可愛らしい花が咲いていました。
イワナシの花は満開でした→
ショウジョウバカマ。少しピークは過ぎていました。→
可憐なヒメイチゲの花→
いつもの吾妻渓谷ではお目にかかれない高山植物ばかりで興奮してしまいました。
しかし野反湖で一番で有名なのはシラネアオイでしょう。
こんな看板がありました。国立公園内での盗掘盗伐禁止とあります。
シラネアオイはその姿の見栄えから盗掘がされ、絶滅の危機に瀕したことがあったそうです。
そこで地元の方が種から育て、植え付けという作業をし、増やしていったそうです。
今ではこんな感じになっています。
いたるところにシラネアオイ。
自然界でこんな群落はお目にかかりません。
シラネアオイ畑という感じですね。
植える活動をしていた方はすでに故人だそうですが、たまたまその場にいらしたお知り合いだったという方にお話をうかがうと、
シラネアオイの株を喰うイノシシ対策に頭を悩ませて、行政にイノシシが来なくなる方法を相談するなどかなり苦労されてここまで来たとのことでした。
自然界の中である特定の種を人為的に増やすと自然のバランスが崩れる一因になります。
何をもって自然とするのか、どこまで人間が介入するのか、改めて考えるきっかけとなりました。